連続する戦略

管首相の初めての外遊先は、インドネシアとベトナムに決定した。

ベトナムとは防衛装備品移転を可能にする協定を締結する。

ベトナムは南シナ海で死那狂惨党に苦しめられているから、日本の中古防衛装備を移転するのだろうということは分かる。

しかし、なぜインドネシアなのか。

大東亜戦争中のインドネシアと日本の絆を知らない、若い世代の日本人にとっては、ジョコ大統領が高速鉄道で日本を裏切り、死那を選んだことで猛烈に腹を立てている人も多いことだろう。

また、ジョコ大統領はなんとなく日本の経済協力をただのビジネスだと考えている節があり、日本人から見ると、日本側の努力は徒労に終わっているとしか感じられないのも事実である。

しかし、依然としてインドネシアは東南アジアの大国であり、日本にとっては大切なパートナーである。

ただし、ジョコ大統領は本当にけしからん人なので、一日も早く保守系大統領になるようにと願っている。

さて、今回の管首相のインドネシア訪問には実は伏線があった。

それは、安倍晋三元総理が敷いた路線の踏襲なのだった。

平成25(2013)年1⽉18⽇,ジャカルタで行うはずだったスピーチに関係する。

「開かれた,海の恵み――⽇本外交の新たな5原則――」とだいするこのスピーチには、安倍内閣の外交に関する基本姿勢が良く現れている。

長文なので一部のみ引用する。

引用ここから

それは,次の5つを原則とするものです。

第⼀に,2つの海が結び合うこの地において,思想,表現,⾔論の⾃由――⼈類が獲得した普遍的価値は,⼗全に幸(さき)わわねばなりません。

第⼆に,わたくしたちにとって最も⼤切なコモンズである海は,⼒によってでなく,法と,ルールの⽀配するところでなくてはなりません。

わたくしは,いま,これらを進めるうえで,アジアと太平洋に重⼼を移しつつある⽶国を,⼤いに歓迎したいと思います。

第三に,⽇本外交は,⾃由でオープンな,互いに結び合った経済を求めなければなりません。交易と投資,ひとや,ものの流れにおいて,わたくしたちの経済はよりよくつながり合うことによって,ネットワークの⼒を獲得していく必要があります。

メコンにおける南部経済回廊の建設など,アジアにおける連結性を⾼めんとして⽇本が続けてきた努⼒と貢献は,いまや,そのみのりを得る時期を迎えています。

まことに海のアジアとは,古来⽂物の交わる場所でありました。みなさんがたインドネシアがそのよい例でありますように,宗教や⽂化のあいだに,対⽴ではなく共存をもたらしたのが,海洋アジアの,すずやかにも開かれた性質であります。それは,多くの⽇本⼈を魅了しつづけるのです。だからこそわが国には,例えば⼈類の⾄宝,アンコール・ワットの修復に,孜々(しし)としておもむく専⾨家たちがいるのです。

それゆえ第四に,わたくしは,⽇本とみなさんのあいだに,⽂化のつながりがいっそうの充実をみるよう努めてまいります。

そして第五が,未来をになう世代の交流を促すことです。これについては,のちほど申し上げます。

引用ここまで

そして、第一次安倍内閣が打ち出した、価値観外交とも言われる「自由と繁栄の弧」とも深く関わる。「自由と繁栄の弧」は、谷内正太郎氏が立案したと言われるが、今は閣内にいないのが残念だ。

そして、セキュリティ・ダイヤモンド構想、さらに米国も同調した、自由で開かれたインド太平洋戦略に発展し、ついに日米豪印の「クワッド」につながった。米国は、この「クワッド」の拡大番を目指していて、ここで重要になるのが東南アジア諸国である。

これで、なぜ管首相の初の外遊先がインドネシアとベトナムなのかが理解できる。

第一次安部内閣の頃から、現在の管内閣に至るまで、やはり死那に対する警戒心を安倍元首相は忘れていなかったことが、良く理解できる。

経団連が目先の利益に惹かれてしまい、死那に執着するので、安部元総理も動きにくかったのだろう。

管首相は親中にも見えるが、そのようなことはないと、今回の回遊先選定の結果で、私の結論が出た。

孤独な自獄論者

何にも縛られず思い付くままに好き放題に書いています。 物言わぬは腹ふくるるわざなり

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