危険水域


引用ここから

 中国は07年末に5.5兆ドルにすぎなかったマネーサプライが、現在は23兆ドルにまで膨張。この間に4.2倍もの増加である。一方、2007年の名目GDPと2017年(IMF推計値)のそれを比較すると3.3倍にとどまる。この0.9倍の差が、過剰マネーとなっている。その額は、ざっと1兆600億ドルと計算される。仮に、この全額が海外へ流出するとなれば、現在の外貨準備高3兆ドル強は、瞬く間に2兆ドルである。これは、思惑を含まぬ単純な前提に基づく話だ。世界的な過剰マネーが消えれば、それが及ぼす中国への影響は甚大である。

中略

 中国のマネーサプライの基調は、不動産関連がらみの融資に大きな影響を受ける異常な状態にある。本来は、企業の設備投資や在庫投資などの生産関連融資が主流になるべきである。現実は、この主流とはかけ離れたバブルで「一花咲かせていた」もの。中国経済が、このように正常な状態から乖離した領域へジャンプしているだけに、これの正常化には、相当の「代償=成長率低下」が不可欠になっている。この覚悟が、中国政府にあるとは思えない。適当に時間をかけていれば、なんとかなるだろう、という根拠なき楽観論に支配されていると見える。その程度の認識で、これまで経済運営してきたことは疑いない。

中略

 16年末に住宅を購入した国民は驚くなかれ、年収の160倍以上の資金を用意しなければならなかった。異常であることは言うまでもなく、こういう状態が、なお続くと期待できるはずがない。住宅バブルは、終わるべくして終わる。バブルの自滅である。この過程をぜひ、目を見開いて観察していただきたい。私は、平成バブル崩壊でこの事態を目の当たりにした。次は、崩壊の舞台が中国に移る。

 その住宅価格の調整は、6ヶ月後であれば年末から18年年初になろう。そのときはすでに、中国共産党の次期5年間の人事が決定済みである。習近平氏にとっては、政治的には痛くも痒くもない時期に入る。多分、こういう計算をして金融引締めに入っているのだ。相当の「悪知恵」と言うほかない。要するに、「ワル」という存在だ。 

中略

 中国政府は、住宅ローンの条件を緩和させることで「住宅バブル」を側面かから支援してきた。その意味では「確信犯」である。中国政府は、劉暁波氏を獄窓につないだが、これとは比較できない実質的な「大罪」を犯した。例えば、10年前に頭金支払い率は販売額の5~7割だった。これに対して、この2年間の頭金比率は3割、または3割以下という「あがき」ぶりである。無理矢理、GDPを押し上げるべく住宅ローン条件を緩和させて、年収の160倍という異常ゾーンへと住宅価格を引き上げさせて、庶民の買い気を煽った。こういう国家の振る舞いが許されるだろうか。「親中派」はどう見ているのか。

 住宅購入者は急増して購入者全体の80%を占める。ほとんどの購入者が金融機関の住宅ローンに頼っているのが現状だ。この住宅ローン条件が厳しくなれば、住宅販売が落ち込むのは当然であろう。政府の住宅ローンへのさじ加減一つで、住宅販売を動かせる現実が明らかになっている。この動きから見て、住宅バブルを引き起こした最大の責任者は中国政府である。もっと絞り込めば、習近平氏の立身出世のためである。

引用ここまで

http://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/entry-12293715913.html

 私が大好きな藤井嚴喜さんによれば、死那にはまだミンスキー・モーメントは来ていないそうだ。ミンスキー・モーメントとは。投資家が投機によって生じた債務スパイラルによりキャッシュフロー問題を抱えるポイントである。このポイントにおいて、どのカウンターパーティー(金融取引参加者)も事前につけられた高い提示額に対して値をつけることができず、大きな株の投げ売りが始まる。その結果、市場決済資産価格の突然かつ急激な崩壊、市場流動性における急激な落ち込みが発生するという。

 

 ここで分かりやすくたとえ話をしよう。仮に私が半年前に2億円の価値のある不動産を持っていたとする。そして、当時の銀行からの借金額も2億円だと仮定する。1円も返済していないので、今も負債は2億円だとする。

 半年後につまり今、ミンスキー・モーメントが来たと仮定するとする。ずるずると価格下落が始まっていた不動産市場に見切りを付けた私が、いきなり銀行から借入金を返せと言われたので、担保に土地が入れてあるのでそれを充当すると言うと、銀行は現在の当該不動産価格は1億円しかないので、1億円は他の資産で返済為てくださいと私に迫る。そうなれば私は現金、株式、自分の家屋、自動車など一切の資産を処分して銀行に返済しなければならなくなる。

 そういう事態が、博打が大好きな死那人に起きるのだ。すでに株式バブルでは何百万人という単位の自殺者が発生したと聞く。今度は欲を掻いて不動産に手を出して博打を打った死那人にそれが起きるのである。悲惨窮まりない地獄絵図の始まりである。

 その責任はもちろん博打好きの死那人投資家にあるし、またこれを煽ってきた習近平にもあるのだが、習近平は知らぬ顔で死那人のトップであり続けるのだろう。博打好きの死那人投資家は責任を取らされるが、習近平は責任を取らない。この罪と罰の問題は不条理と矛盾を孕んだまま世界中で繰り返される。

孤独な自獄論者

何にも縛られず思い付くままに好き放題に書いています。 物言わぬは腹ふくるるわざなり

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