総加速師

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引用ここから

習近平氏は、己の「不運」を嘆いているだろう。今年は、国家主席3期目を狙う大事な年である。それにも関わらず、経済はかつてない急減速局面である。今年の政策目標は、「安定」の二文字である理由がよく分るのだ。

IMF(国際通貨基金)は先に、今年の経済成長率予測を4.8%に引下げた。昨年11月は5.6%予測であったのだ。たったの二ヶ月で0.8ポイントも引下げざるを得ないほど、実勢悪が表面化している結果である。最大の原因は、地価の値下がりである。これが、土地売却益を減らして歳入に大きな穴を空ける。同時に、銀行の不良債権増加で銀行経営を直撃する。まさに、財政・金融という中国経済を支える根幹部分に「異変」が起こっているのだ。

IMFは、国民生活を安定させるべく社会保障費の増額、有効なワクチン導入、「ゼロコロナ」政策の見直しを求めている。だが、中国政府は、景気への即効性を狙って手垢のついたインフラ投資で凌ごうとしている。無策である。投資効率が下がるだけでリターンはない。

『ロイター』(1月27日付)は、「中国当局、景気減速回避へインフラ投資再開 債務問題が影」と題する記事を掲載した。

中国は減速しつつある景気を支えるため、インフラ投資の復活に賭ける方針だ。だが、地方政府の債務リスクを抑える必要があるほか、投資リターンが低下しており、政府の努力に影を落としかねない。中国指導部は過去1年間、債務と住宅市場を巡るリスクを抑制することに力を傾けてきた。しかし、不動産市場の不況に加え、新型コロナウイルス感染拡大の完全阻止を目指す「ゼロコロナ」政策によって成長が圧迫されたため、再び成長のけん引役としてインフラ投資に着目している。

(1)「5年に1度の共産党大会が開かれる今年、何よりも優先されるのは安定だ。当局にとって、景気がこれ以上急速に減速して雇用創出を阻むことを何としても避けたい事態だ。2022年の方針を決めるために昨年12月に開いた会議で、指導者らはインフラ投資の前倒しを訴えた。今年前半に悪化するとみられる景気減速を和らげるためだ。国務院(内閣に相当)の顧問を務めるYao Jingyuan氏は「インフラ投資を強化して不動産セクターを安定させる必要がある。今年は経済と雇用への圧力が大きい」と述べた。もっとも、こうした計画を拙速に進めると債務を巡る懸念が再燃しかねない。Yao氏は「景気刺激策による副作用を減らすために最善を尽くさなければならない」と述べた」

中略

(3)「過去何十年間も建設や債務頼みの投資を急ピッチで拡大してきただけに、新規プロジェクトは投資額当たりの経済効果が下がる可能性もある。ある政府顧問は「目下の問題は、金は十分にあるのに良いプロジェクトが不足していることだ」と語った。ノムラの首席中国エコノミスト、ティン・ルー氏は「中国は国家インフラプロジェクトの投資を大幅に加速するだろうが、成長を安定させ得るほどの規模にはならないだろう」との見方を示した」

中略

(4)「当局は建設分野を復活させるため、苦境にあえぐ不動産セクターの安定を取り戻そうと努力してきた。不動産開発業者への融資規制をわずかに緩和したほか、住宅ローンの実行を加速している。ところが、不動産セクターが大きく回復すると予想するアナリストはほとんどいない。HSBCは今年の不動産投資の伸び率をゼロから2%の範囲と予想している。公営住宅開発のてこ入れも、選択肢に上がるかもしれない。過去の景気減速時にはこうした投資がしばしば動員された。中国社会科学院の元副院長、Li Yang氏は先週、メディア向けの説明で「不動産市場を長い間沈ませておくわけにはいかない。多くの産業と結びついているからだ」と述べた」

GDPを直接押し上げる住宅着工は、昨年11月の新築着工(床面積ベース)が前年比21.03%減と、8カ月連続のマイナスに落込んでいる。この状況で今年、不動産開発投資が回復すると期待するのは早計であろう。国内上位100都市の住宅在庫が、昨年11月に5年ぶりの高水準を記録している。中小都市で需要が低迷したことが背景だ。「不動産依存」経済が、いつまでも中国を支える筈がない。

引用ここまで

不動産関連業界は、復活することはないと断言できる。

1 価格が高止まりしているので、新規に購入することができる人は皆無である。

2 途中で開発が止まっているプロジェクトや鬼城と呼ばれる人が住んでいない団地などが多すぎる。

3 儲けが出ない不動産業界に投資する人がいない。

4 投資してくれる人がいないので、資金が足りない。

5 土地使用権売買による収入が地方政府の税収の倍以上もあった過去とは違って、土地使用権売買のよる収入がなくなった。そのため、地方公務員の給料が大幅に下げられた。

そんな中、これ以上不動産による収入をあてにするという習近平の愚劣さは、火を見るよりも明らかなことだ。

まあ、総加速師と呼ばれる習近平なので、彼が死那狂惨党をおしまいにしてくれることだろう。



孤独な自獄論者

何にも縛られず思い付くままに好き放題に書いています。 物言わぬは腹ふくるるわざなり

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