馬鹿な議論をする学者

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引用ここから

『日本経済新聞 電子版』(6月8日付)は、「大半の国、中立姿勢保つ」と題するインタビュー記事を掲載した。 チャン・ヘンチー シンガポール政治学者へのインタビューである。

中略

(1)「世界の大半の国は、米国・欧州、中国・ロシアのいずれの陣営にも完全にくみしない「第3の空間」に属することを望んでいる。自国の国益を第一に考え、ある問題では米国の立場に賛同し、別の問題では中ロに近い立場を取ることを矛盾だと考えない。第3の空間はどこかの国によって組織化されているわけではなく、冷戦時よりも構図はさらに複雑になっている。例えば日米豪と共に「Quad(クアッド)」の一員であるインドは、中国に関して3カ国と歩調を合わせるが、それ以外の問題では独自の立場を譲らない。実際、ロシアとの軍事面での協力関係の深さから、ウクライナ侵攻を非難せずに中立姿勢を保っている」

大国か中堅国でなければ、旗幟を鮮明にせず中立を守る。これが、国益に適っていることは当然だ。中立でなければ、反対陣営から圧力を受けるリスクを背負う。

(2)「逆に、中国に近いカンボジアは、ロシアに対する国連の非難決議では賛成に回った。カンボジアは過去にベトナムに侵攻された苦い歴史があり、大国による侵攻に声を上げることが自国を守ることだと考えている」

カンボジアは過去、ベトナムに侵略された歴史がある。それゆえ、ロシアのウクライナ侵攻に反対を表明した。

(3)「バイデン米政権が民主主義と専制主義の二項対立を強調するのは、賢いやり方ではない。安全保障を経済までも含む広義の範囲に捉え、貿易のデカップリング(分断)を加速するのも、世界を貧しくするだけで、どの国の利益にもならない。東南アジア諸国連合(ASEAN)は民主主義、疑似民主主義、共産主義、社会主義、国軍による支配と多様な政治体制の集合体だ。民主主義は地域を導く旗印にはならない。私は民主主義が最良の政治形態だと信じているが、強力な中間所得層の基盤がなければポピュリズム(大衆迎合主義)にすぐに陥る難しさがあり、西欧の民主主義には逆風が吹いている」

バイデン政権の「二項対立」を批判している。これは、シンガポールが地政学的リスクを抱えていないので、ウクライナ侵攻を他人事に捉えている結果であろう。この議論を欧州で行なえば、総スカンを食う筈だ。

だが、IPEF(インド太平洋経済枠組)にASEAN10ヶ国のうち、7ヶ国が参加している事実をどう説明するか。米国陣営に与した方が、国益に適うという判断によるものだ。抽象的議論で、国際関係を理解できない現実がここにある。

(4)「ウクライナ侵攻と中国の台湾侵攻を結びつける議論もあるが、ナンセンスだ。中国は1949年の建国以来、対外侵略には極めて慎重で、できれば軍事行動なしに台湾統一を実現したいと考えている。ウクライナ危機に乗じて、台湾統一を急ぐことはないだろう。むしろ欧米が、中国のレッドライン(越えてはならない一線)を理解していないことを懸念している。欧米の議員団が台湾を訪問し、中国とチキンレースを招く状況をつくり出している。誤解によって、台湾で衝突が起きないか心配している」

下線部は空論である。中国が、空母三隻を建艦している意図はなにか。それは、台湾と尖閣諸島への侵攻目的と解するほかない。余りにも、中国を善意に解釈しているが、ナイーブ過ぎる。政治学者として現実への理解が不足しているように見えるのだ。まさに、「講壇政治学」の域を出ない珍説であろう。

(5)「今の国連は、分断された世界を象徴し、何も実行できない。しかしウクライナのような小・中規模の国にとっては依然、自分たちの問題を取り上げてもらうことができる重要な機構だ。日本はアジアの国々から、大国の中で最も安心できる存在とみられており、各国への防衛協力や能力構築支援も歓迎されている。ウクライナ危機後、ドイツなどは防衛力の強化に乗り出し、日本でも防衛費の増加が議論されている。各国の反応はあくまで日本がどこまで踏み込むかによる。反発がある一方で、理解を示す国もあると思う」

このパラグラフでは、国連の役割に期待している。現実は、無能化しているだけに、最後は同盟が国連に代わる役割をするであろう。日本やドイツが防衛費を強化しても同盟国の一員である以上、単独で軍事行動できる筈がない。このインタビューは、現実感覚ゼロの不思議な内容である。

引用ここまで

シンガポールの馬鹿な学者の現実を無視した与太話は笑うに笑えない。

死那が台湾を統一したいという意図の基に空母を作っている現実にはきちんと向かわねばならない。

だが、現実にはASEAN諸国は必ずしも米国の下に団結しているわけではない。

フィリピン、ベトナム、インドネシアは対中包囲網に参加しても損はないと考えるだろう。

現実に南シナ海で自国の権益を死那によって損なわれているからだ。

しかし、ラオスとカンボジアは完全に死那べったりである。

ミャンマーも軍隊が政治を握っているので同様だ。

マレーシアは死那と米国とどちらにも付いても良いと考えているのか、それとも国内が分裂しているのかが見えてこない。

タイは死那を警戒しつつ、利益があれば死那とも付き合うということだろう。

なにしろ、タイは昔から外交が非常に上手なのだ。

ここで、日本の役割が大切になる。

無理をしない程度で各国に許容範囲で防衛関連機器を提供してやれば良い。

ラオス、カンボジア、ミャンマーの三カ国には当面は相手にしないで良い。

無理矢理死那から引き離すとなると相当の見返りを与えねばならないのだ。

死那は徐々に金欠になっているので、「金の切れ目が縁の切れ目」となる機会をじっと待てば良い。

そういう方法でじわじわと日本のほうに引きつけるのだ。

そうなれば米国も安心できるだろうし、ASEAN諸国は日本が侵略してくるとは考えない。

自虐史観で平和ぼけした日本とは違って、日本がアジアを白人支配から解放したことを知っている。

軍事面で米国が全面に出るのは不審に思われるのだ。

IPEFは軍事の匂いがしないので、みんな安心して米国に着いたが、軍事面で米中対決に巻き込まれることは嫌だと思っている。

日本はかつて大日本帝国軍が白人支配からASEAN諸国を開放したように、死那の無軌道な支配から解放してやる義務を背負っている。

日本人は無自覚だが、そうすることが日本の義務であり、それを果たしたときに、日本は本当に信頼される国家となり、真のリーダーになる。






孤独な自獄論者

何にも縛られず思い付くままに好き放題に書いています。 物言わぬは腹ふくるるわざなり

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