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引用ここから
安倍総理の最大の遺産はFOIP
安倍晋三総理大臣が日本にもたらした遺産は数多くあるのですが、それらのなかでも、とくに今後の日本に大きな影響を及ぼす分野といえば、なんといっても外交でしょう。
昨年の『近隣国重視から価値重視へ:菅総理が日本外交を変えた』などでも報告したとおり、すでに日本の外交は「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」などの「基本的価値」を重視するというものに切り替わっています。
中略
このFOIP、著者自身の理解に基づけば、「地理的距離より価値観の距離を重視します」、という話です。わかりやすくいえば、日本は今後、「地理的に近いかどうか」ではなく、「価値観が近いかどうか」という視点で、外交関係に軽重をつけていく、という宣言のようなものですね。
こうした日本外交の「FOIPシフト」の動きが顕著になったのは菅政権時代ですが、その基礎を作ったのは、なんといっても安倍総理であり、もっといえば、その源流は麻生太郎総理の「自由と繁栄の弧」構想にあります。
中略
ロシアによる違法なウクライナ侵略という現実に直面するなかで、「自由」「民主主義」「法の支配」「人権」といった基本的価値の重要性が今ほど意識されているときはないでしょう。安倍総理の先見の明にはただただ驚くばかりです。
FOIPは韓国にも大きな影響を与えた
こうしたなかで、この「FOIP」は、思わぬところに影響を及ぼしています。
それが、韓国です。
戦後の日韓関係といえば、「謝罪外交」などととも揶揄されていますが、「朝鮮半島生命線説」とでも言えばよいのでしょうか、「日本にとって地政学的に見て韓国との関係が重要だ」とする基本認識に基づいて外交が展開されてきたのです。
地図を開けばすぐにわかりますが、朝鮮半島は日本と地理的に見て非常に近く、対馬と釜山の間は最短で50㎞ほどしか離れていません。もしも釜山にロシア軍や中国人民解放軍の基地ができたら、それだけで日本の安全保障が脅かされる、などとする懸念があったのも、理解できなくはありません。
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もちろん、日韓関係をここまで不健全なものにした最も大きな責任を負っているのが、ウソ・捏造に基づく不法な要求を繰り返している韓国の側であることは明らかですが、そうした韓国の無法に対し、毅然と反論せずに謝罪を繰り返してきた歴代日本政府の側の過失もまた、ゼロではないのです。
FOIPシフトの効果のひとつは、「謝罪外交からの脱却」
ただ、こうした謝罪外交に転機をもたらしたのが、やはりFOIPシフトでした。
安倍総理は2015年12月のいわゆる「日韓慰安婦合意」により、日韓間に突き刺さっていたトゲである自称元慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に」解決しました。
この合意自体、ありもしない自称元慰安婦問題を、あたかも事実であるかのごとく認めてしまったという意味では、たしかに日本外交にとっては汚点のひとつではあります。
しかしそれと同時に、この合意をしたことによって、少なくとも米国から「日米韓3ヵ国連携のために日本が韓国に譲歩しろ」と言われることがなくなりましたし、なにより韓国があっけなく約束を破る国であるという事実を、日米両国を含めた全世界に、嫌というほど認識させたのです。
いわば、この慰安婦合意は「守られれば良し」、「守られなければなお良し」、という意味で、結果的には日本外交にそれなりの成果をもたらしたのだ、という言い方をしても良いでしょう。
ただ、そうなってくると、困った事態に陥るのが韓国です。
「国際合意を取り交わしても守らない」、「外交交渉をしたらその内容が後日暴露される」、といった事態が続くことで、結果として韓国が国家としての信頼を失ってきたからです。
また、日本が提唱し、米国、豪州、インド、カナダ、英国などが賛同するFOIPに対し、韓国がかたくなに参加を拒絶していることは、「日米韓連携」だけでなく、米韓同盟をも危機に陥れています。
こうした米韓関係の悪化は文在寅(ぶん・ざいいん)政権の5年間でかなり進みましたが、尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権にそれを食い止めるだけの力があるのかどうかは疑問です。FOIPという「中国包囲網」に韓国が加わる可能性は非常に低いからです。
もうひとつついでに申し上げておくならば、現在の日本はFOIPに韓国を含めていません。
たとえば、防衛白書に掲載されているFOIPの概念図を見ても、中国、ロシアなどと並んで、韓国はFOIPから明示的に除外されているのです。
このことは、日本がすでに韓国を「基本的価値を共有する国」とみなしておらず、それどころか「FOIP」という、現在の日本外交にとって最も大切な構想を実現するうえで、韓国は無関係の国と位置付けられていることを意味しています。
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自称元徴用工問題などをめぐっても、「国際法を守る」、「約束を守る」、「ウソをつかない」といった、近代国家としてのごく当たり前の態度も取れるのかどうかが問われているのであり、また、対中牽制でも韓国がFOIPに参加するかどうかが問われているのです。
このように考えていくと、安倍外交は韓国という国自体が「自由・民主主義諸国同盟」に残れるかどうかという命題を突き付けたという意味で、じつは韓国の国際的立ち位置をも、大きく変えたといえるのです。
そのことを、当の韓国自身が正確に認識しているかどうかについては、定かではありませんが…。
引用ここまで
南超賤は、日本との二国間だけであれこれ言っているが、もはや日本は南超賤など相手にしていない。
日本は価値観が合う国々としか仲良くしないという点が南超賤には全く理解できていない。
価値観の合わない国とは、別に喧嘩をしたり疎遠にするということではない。
最低必要限の外交に絞るという意味である。
言い換えれば、価値観の合わない国のために時間やお金、また人材などの貴重な資源はつぎ込まないということである。
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