今朝の産経新聞に、宮家邦彦さんの"World Watch"というコラムが載っていた。このコラムは奥が深い考察なので、その中味について考えたい。
事の発端は、米空母セオドア・ルーズベルトのクロージア艦長が、解任されたことが全ての始まりだった。
では、クロージア艦長は何をやらかしたのか。セオドア・ルーズベルトでは多数の乗務員が武漢コロナに感染したのだ。そこで、同艦長は海軍上層部宛ての書簡で緊急対応を求めたのだが、それが外部にも漏れた。(後で触れるが、わざと漏らした可能性が高い)そこで、モドリー海軍長官代行が、今月2日になって同艦長を解任したのだ。
ところが、モドリー海軍長官代行自身が7日に辞任したのである。
実は、セオドア・ルーズベルトの乗組員は同艦長が去るときには、盛大な拍手で送り出した。また、国防総省や議員達の中からモドリー海軍長官代行を解任するような声が噴出したのである。つまり、クロージア元艦長の判断を適切だとする声がおおきかったのである。
実は、クロージア元艦長は、メディアにも海軍上層部に宛てたのと同じ情報を流していたのだ。
普通ではあれば、組織の統制を取るためにはモドリー海軍長官代行がしたように、艦長を解任するのが当然である。だから、モドリー海軍長官代行が間違っているわけではない。ただ、モドリーさんは、クロージア元艦長をいろいろと罵った。この罵りが余分だった。
しかし、クロージア元艦長は、モドリー海軍長官代行の上を行っていた。つまり、解任されるのを覚悟で、確信犯としてわざとメディアにも情報を流したのだった。
目的はただひとつ。武漢コロナウイルスに感染した乗組員の命を救うためである。
これがこの話の全容であるけれど、宮家邦彦さんの考察が奥深い。
仮に、死那狂惨党を守るための軍隊である、人民抑圧軍が保有する空母遼寧で同様の事態が起きた場合、どうなるだろうかと問う。
遼寧は小型故に、密「集」度、人的距離の「近」さ、密「閉」度に於いて、つまり、「しゅうきんぺい」に於いては、セオドア・ルーズベルトよりも危険性が高い。しかも、人民抑圧軍の艦長が、独裁体制の死那狂惨党に進言することなどありえない。報告さえもできない。
そこで、独裁的体制の軍隊には弱点がある。民主国家の軍隊の方が優れているのではないか。
自分の都合と懐具合しか考えない死那の軍人には、クロージア元艦長のように、我が身を犠牲にしてまで乗組員の命を救おうとする人はいないだろう。
私は死那が大嫌いだ。ましてや、狂惨主義など真っ平御免だ。
同時に、米国も好きではない。何しろ、日本人の非戦闘員を焼夷弾で焼き殺し、残虐非道な白人国家ドイツにさえ使わなかった原爆を二発も落としたのだ。黄色人種になら原爆を落としても構わないという、白人の傲慢窮まりない態度が嫌いだ。
しかし、クロージア元艦長のような、男らしい自己犠牲の覚悟を持った人が居るというだけで、米国の方が死那よりも遙かにましなのである。
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