引用ここから
所得階層の2極化とこれに伴う中間所得層の減少と貧困階層・高齢者層の
拡大。その要因の多くは非正規雇用形態の拡大と正規・非正規雇用者間の
待遇格差が根底にある。これらが国民の間に生活不安・不満を齎し、社会
全体の安定を乱す要因となっている。
しかし、この現象はひとり我が国のみならず、世界全体の抱える問題でも
ある。世界的には失業率の悪化が最大の要因と思われるが、アメリカや西
欧世界での変化を求めるデモの続発、中近東での民主化を求める革命騒ぎ
まで、その根底には全て国民間の経済力・所得格差の問題が横たわる。ま
た、そこに共産主義一枚岩だったお隣の中国までもが揺れ動いている。
世界を席巻している弱肉強食・効率一点張りの社会。即ち、拝金主義の横
行・リストラ自由のアメリカ式経営、市場原理万能の諸改革、これら全て
が合い待って引き起こした現象だろう、と私は思う。
では、これらに如何に対処し、社会の安定を図っていけばよいのだろうか。
それには、こと日本に関しては「国家の品格」の著者 藤原正彦氏の言う
ように、
<鎌倉時代以降、多くの日本人の行動基準・道徳基準となって来た武士道
精神を復活し、慈愛、誠実、忍耐、正義、勇気、惻隠の心を取り戻してい
くこと。とりわけ他人の不幸への敏感さである惻隠の心、「名誉」と
「恥」の意識の回復を図る>ことに尽きる。
だが、果たしてそのような“情緒”的な形で解決できる問題なのだろうか。
これからの社会、一体どのような方向に向かって行くのか、全く予想もつ
かないな~、という気分になる。
引用ここまで
武士道復活をもくろんでみても、拝金主義に毒された現代日本人には、そんなことよりも豊かな生活が送りたいと叫び出すに違いない。なんとも情けない話である。
http://archives.mag2.com/0000153821/
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