外交青書

https://shinjukuacc.com/20210427-04/


外務省は本日、令和3年版の外交青書の全文を公表しました。

引用ここから

まず目についたのは、「日本外交の七つの重点分野」とする節です。

日本外交の七つの重点分野

①日米同盟

②自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の推進

③中国・韓国・ロシアといった近隣諸国

④北朝鮮をめぐる諸懸案

⑤中東情勢

⑥新たなルール作りに向けた国際的取組の手動

⑦地球規模課題への対応

中略

この構想は今や、米国、オーストラリア、インド、ASEAN、欧州の主要国とも共有され、国際社会において幅広い支持を得つつあり、様々な協議や協力が進んでいる

このFOIPに中国、韓国、ロシアの名前はありません。

つまり、現在の日本政府から見て、中国、韓国、ロシアの3ヵ国は「非FOIP諸国」として外交の優先順位が下がった、ということでもあります。また、昨年は「北朝鮮をめぐる諸懸案への対応」が日米同盟の次に来ていましたが、これが4番目に繰り下がったのも興味深いところです。

つまり、外交青書の順序だけで見れば、日本から見た優先順位はつぎのとおりです。

①米国

②豪州、インド、ASEAN、欧州諸国

③中国、韓国、ロシア

④北朝鮮

⑤中東その他

もちろん、現実にASEANや欧州諸国がFOIPに無条件にコミットしているわけではないという点を踏まえると、今回のFOIPの扱いには若干「先走り」感がないではありませんが、それでもFOIPを中韓などより上位に持って来て、かつFOIPから中韓を除外して見せたのは、興味深い点です。

中略

一方、韓国に関しては、昨年版の外交青書では、日韓関係についてさまざまな具体的懸案を列挙していました。日本政府の韓国に対する苛立ち・怒りが透けて見えるという意味では、珍しいほど強い文章です。少し長くなるのですが、昨年の記述を紹介しましょう(文字数をカウントすると392文字です)。

「韓国は、日本にとって重要な隣国であり、日韓両国は、1965年の国交正常化の際に締結された日韓基本条約、日韓請求権・経済協力協定その他関連協定の基礎の上に、緊密な友好協力関係を築いてきた。しかし、2019年は、前年に続き、旧朝鮮半島出身労働者問題に関し韓国が依然として国際法違反の状態を是正していないことを始め、日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)の終了通告(ただし、後に終了通告の効力を停止)、慰安婦問題に関する「和解・癒やし財団」の解散に向けた動き、韓国国会議員などによる竹島上陸や竹島における軍事訓練、竹島周辺海域における韓国海洋調査船の航行、東京電力福島第一原発の処理水に関する韓国側による非建設的な問題提起など、韓国側による否定的な動きは止まらず、日韓関係は厳しい状況が続いた。このような中、日韓間では、12月には、1年3か月ぶりとなる日韓首脳会談を実施したほか、頻繁に外交当局間の協議を行った。」

中略

これが、どう変わったのでしょうか。

「韓国は重要な隣国であり、北朝鮮への対応を始め、地域の安定には日韓、日米韓の連携が不可欠である。しかしながら、2020年以降も、旧朝鮮半島出身労働者問題や慰安婦問題などにより、日本側にとって受け入れられない状況が続いている。特に、2021年の元慰安婦等によるソウル中央地方裁判所における訴訟に係る判決確定は、国際法及び日韓両国間の合意に明らかに反するものであり、断じて受け入れることはできない。日本政府として、両国間の問題に関する日本の一貫した立場に基づき、国際法違反の状態の是正を含め、今後とも韓国側に適切な対応を強く求めていく。」

たった、これだけです。

文字数にして、259文字に減りました。韓国に対して肯定的な表現は冒頭の一文のみであり、それ以外はすべて「受け入れられない」、「適切な対応を強く求めていく」など、否定的な表現のみです。

地域別に見た外交でもFOIPが繰り上がる

次に、外交青書の第2章が『地域別に見た外交』ですが、昨年の第2章『地球儀を俯瞰する外交』と比べると、章タイトルも変更されましたが、節の順序も変更されました。

昨年は第1節が「アジア・大洋州」で、以下、「北米」、「中南米」、「欧州」、「ロシア、中央アジアとコーカサス」、「中東と北アフリカ」、「アフリカ」だったのが、今年は第1節に「『自由で開かれたインド太平洋』の推進」が設けられたのです。

そのうえで、FOIPの節に、米国、ASEAN、豪州、インド、日米豪印、欧州の項がそれぞれ設けられ、改めて概要が示されている、というわけです。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

個人的には、安倍総理が辞任したときの最も大きな懸念が、日本の外交が再び無原則な「事なかれ主義」に陥っていくことだと考えていました。ただ、外交青書の冒頭の部分を読んだ限りにおいては、こうした懸念はとりあえずは杞憂だったと考えて良いと思います。

むしろ、中国や韓国を押しのけてFOIPが上位に押し上げられたのは、日本外交が「単に地理的に近い国となあなあで仲良くしましょう」という姿勢を脱却したと評価したいと思います。

地理的に近い中韓ではなく、わざわざ地理的にはそれよりも離れたASEAN、豪州、インド、欧州、米国を上位に持ってきたのは、そうすることが日本にとっての「生きる道」であることを、日本外交が認識したという証拠です。

引用ここまで

今回は死那については特に触れつもりがないので、死那の部分については省略した。

それにしても、かつての外務省官僚はことなかれ主義で、死那や南超賤との摩擦をおこさないようにとばかりに動いていたが、ようやく害務商からようやく本来の外務省に戻ったことはまことに喜ばしい。

南超賤は日本にとっては盲腸のような存在で、なくても構わないのだが、どういうわけは関わりを持ってしまったので、いつも暴れ出しておなかが痛む。

しかし、いつかは手術して摘出しなければならない。

ただし、米国がいくら厄介でもその盲腸を切るなと言うものだから、我慢してきた。

米国がこの盲腸手術に同意してくれれば、さっさと摘出したいものだ。

孤独な自獄論者

何にも縛られず思い付くままに好き放題に書いています。 物言わぬは腹ふくるるわざなり

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