置き去りにされる南超賤

https://shinjukuacc.com/20210507-01/

引用ここから

ことに、『韓国外相「米国が真の友人ならワクチン提供に応じよ」』でも紹介したとおり、鄭義溶(てい・ぎよう)韓国外交部長官(※外相に相当)は21日、「米韓ワクチンスワップ」に関連し、「苦しい時の友人こそが本当の友人だ」などとして、米国に韓国へのワクチン提供を求めました。

これに対し、米国務省のネッド・プライス報道官は4月21日の記者会見で、次のように発言しました(『ワクチンスワップ構想巡り米国務省「まずは米国優先」』等参照)。

“…what we’ve talked about in terms of our arrangements with Canada and Mexico and we’ve talked about in our arrangements with the Quad.“(※下線は引用者による加工)

要するに、「旗幟を鮮明にしない国にはワクチンは供与しないよ」、という意思表示のようなものであり、支持率低迷に苦しむ文在寅政権に対し、米国としては「助け舟を出さない」という意思表明だと考えても良いのではないかと思う次第です。

中略

こうしたなか、日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏が、ウェブ評論サイト『デイリー新潮』に昨日、待望の最新論考を寄稿しました。

「韓国へのワクチン供給は後回し」と公言した米国務省 バイデンがQuadから逃げ回る文在寅にお灸

米国務省報道官が「外国へのワクチン供給は隣国とQuad(日米豪印)を優先する」と会見で言い切った。反中包囲網への参加を拒む韓国は後回しと明言したのだ。もちろん韓国では騒ぎに。韓国観察者の鈴置高史氏が米韓同盟消滅をワクチンから読み解く。<<…続きを読む>>

―――2021年5月6日付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』より

今回は、私たちの多くが関心を抱くであろうテーマのうち、例のワクチンと「クアッド」を関連付けて論じたもので、とくに、プライス報道官の会見などを受けた韓国国内の反応が詳しく解説されています。

いわば「米韓同盟消滅」をワクチンとの関係から眺めた論考、というわけですが、鈴置論考で「ワクチンでお灸を据える」がテーマに取り上げられたのは初めてのことではありません。

中略

その鈴置氏は、隣国とクアッドに対するワクチンの優先供給を巡って、次のように指摘します。

「ワクチン外交が安全保障政策の一環であるとの姿勢を(米国は)隠さなくなった」。

さすがに、最近の米国の姿勢は露骨です。

鈴置氏は4月23日付・中央日報(日本語版)の『韓米ワクチン協力の質問に、米国「隣接国・クアッドとは議論中」』のリンクを示し、プライス報道官に「ワクチンスワップ」の質問をしたのは中央日報の記者であると明かしたうえで、次のように述べます。

「プライス報道官も、その発言から、質問者が韓国メディアの記者と知っている様子です。韓国政府の耳にちゃんと届くよう『韓国後回し』を語ったと思われます。」

ここは鈴置氏の主観的な分析ではありますが、まったく賛同せざるを得ません。文脈から判断して、「クアッド」という表現には、プライス報道官が「ワクチンを優先供給すべき対象国」から韓国を明示的に抜く意味が込められていると考えるのは、非常に理にかなった解釈です。

中略

では、政権の危機を、あるいはご自身が退任後に檻の中に入るリスクを、文在寅氏はどうやって回避するのでしょうか。

そこでヒントとなるのが、5月21日に予定されている米韓首脳会談です。これについて、鈴置氏は次のように指摘します。

「米韓首脳会談で、バイデン大統領にワクチン供給を直訴する案を検討しているようです。もちろん手ぶらというわけにはいかない」。

中略

さて、昨日の『【資料】G7外相会合コミュニケ』でも総括したとおり、日本でいうゴールデンウィーク中に英国・ロンドンで開催されたG7外相会合では、日本などが中心に強く主張した中国、北朝鮮、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」などの概念が含まれました。

日本が提唱したすべての主張が盛り込まれたわけではないにせよ、その主要構成要素はあらかた含まれたと考えて良く、また、「インド太平洋国家」の枠でG7にオブザーバー参加した韓国は、正直、「針の筵」状態だったのではないかと思います。

こうしたなか、今回の鈴置論考の末尾には、こんな記述があります。

「供与の理由として『人道的な観点』だけではなしに『自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の仲間である』ことをはっきり挙げたのです。日本は疾病協力の面でもインドと、中国・韓国との間に明確な一線を引いたのです」。

これは、感染が急拡大するインドに対し、日本政府が対インド支援を申し出た際、加藤勝信官房長官の発言を鈴置氏が解釈したものです。

ちなみに先日の『日本政府、外交青書でFOIPから中韓を明らかに除外』や『外交青書:基本的価値の共有相手は韓国ではなく台湾だ』などで取り上げたとおり、このFOIPの概念が、日本の今後の外交における基本となる、というのが当ウェブサイトなりの見方です。

日韓関係の断絶という構図は、韓国による対日不法行為の数々もさることながら、日本政府が大々的にFOIPを掲げたことで、よりいっそう明確になったのではないかと思う次第です。

引用ここまで

孤独な自獄論者

何にも縛られず思い付くままに好き放題に書いています。 物言わぬは腹ふくるるわざなり

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