絶望


引用ここから

 中国経済は日々、バブル膨張の圧力にさらされている。貯蓄率は対GDP比で46,5%(2016年)と高水準だ。GDPの約半分という貯蓄率は、異常の一語に尽きる。この高い貯蓄率は、低水準な個人消費の裏返しでもある。建国以来、一貫して続いてきた「投資主導型経済」がもたらした歪みである。

 前記の高い貯蓄率の生み出す貯蓄は、本来であれば海外での資産運用となるはずだった。だが、中国政府は急激な外貨流出のもたらす外貨準備高急減に怯え、今年に入って海外での資産運用や企業のM&Aをストップさせている。この結果、国内で貯まっている資金が資産運用業界に流れ込み、これが新たなバブル発生源になる危機を迎えている。事実上、当局に規制する能力を失っており、バブルのマグマが刻々と増える不気味さを感じさせる。

 中国の外貨準備高は一時(2014年6月)、ほとんど4兆ドル台に近いレベルまで達した。それが、今年1月末には3兆ドル台を割り込み、中国政府は危機感を強めた。その結果、海外での資産運用や企業のM&Aを抑制する方針に切り替わった。こうして、国内で貯まり続ける貯蓄の行き場がなくなり、高利運用を謳い文句に掲げる資産運用業界に流れ込んでいる。これが、新たなバブルの源流になってきた。

 本来ならば、国内の貯蓄圧力を海外へ放出するのがベストの選択である。そうなると、一挙に海外への資本逃避が始まる。中国経済の抱える矛盾(過剰債務・過剰設備・過剰雇用)から逃れるには、海外での資産運用でリスクの分散をするほかない。そうなると、国内貯蓄は雪崩を打って流出する。外貨準備高はたちまち2兆ドル台割れの危機を迎え、人民元安が進むであろう。この状態は、中国経済最悪事態の到来である。そうかと言って、大幅に外貨流出を抑えると、貯まった貯蓄が新たなバブル源に変わって、中国経済の屋台骨を揺する事態になる。進退に窮したとは、現状を指すものだ。

中略

 過剰貯蓄が生み出した資金は、資産運用業界へ流れ込み、その規模は約60兆元(約980兆円)という。ほぼ、日本のGDPに匹敵する金額だ。これだけの資金の受け皿は、銀行だけに止まらない。投資信託会社、信託会社、証券会社、保険会社などの広範なノンバンクの金融機関が緊密に結びついている。この延びきった「過剰貯蓄ライン」の一カ所で、何か問題が起こると、「金融倒産の連鎖」であるシステミックリスクを発生させる。「みんなで渡れば怖くない」どころか、みんなで渡るからこそ、一人でもつまずくと全員が転ぶ構図である。運動会で全員の足を結んで走る、あのムカデ競走を思い出せば、そのリスクの大きさが理解できるはずだ。

中略

 中国は、習主席が先頭に立って金融危機回避の決意を示している。それには、デレバレッジ(債務削減)が大前提になるが、一方には過剰貯蓄の存在がある。GDPがマイナス成長にでもならない限り、過剰貯蓄は減少しないから、理財商品は増え続けるであろう。これを防ぐには、過剰貯蓄を海外へ流出させることだ。既述の通り、これは外貨準備高の減少をもたらすから「国是」に反する。現在の政策において、解決策は一つもないというのが絶望的な結論である。

引用ここまで

 デレバレッジ(債務削減)はいますぐにしなければならないが、片一方では高すぎる貯蓄額が不動産投資に向かっている。不動産価格が下落せずに保っている間は良いが、下落を始めるとバブルはあっと言う間に弾ける。

 不動産投資に向かわないようにするには、海外投資の方向に保っていけば問題は解消するが、それは外貨準備高を3兆ドルに保つことで人民元の暴落を防ぐという死那の国是に反する。つまり、死那経済はどうにもならないジレンマに陥ってしまったのだ。

 賭け事が大好きな死那人達が、バブルが弾ければ、「俺の財産を返せ」と大騒ぎを始める。自分でギャンブルに手を染めておきながら、自分の責任になるのは厭なのだ。

 外貨準備高3兆ドルの保持、債務削減の遂行、そしてバブル崩壊阻止と習近平の地獄行きはメニューはとても豊富だ。さらに、すべてのメニューには、一般大衆が被る多大な被害が含まれている。

http://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/entry-12299983600.html

孤独な自獄論者

何にも縛られず思い付くままに好き放題に書いています。 物言わぬは腹ふくるるわざなり

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