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西側諸国によるロシアへのSWIFT制裁は2月28日、狙い通りの「成果」を上げた。金融市場を混乱させ、プーチン氏が戦費を調達しにくくするだけでない。国内経済を沈滞させて、プーチン支持基盤を切り崩し、辞任へ向かわせる目的である。プーチン氏が、一人で始めた「プーチンの戦争」を終わらせるために不可欠な工作だ。その突風は、間違いなく強まっている。
ルーブルは2月28日、オフショア取引で一時30%近く下げた。モスクワでの取引開始直後は値が付きにくく、一時過去最安値となる1ドル=109ルーブルを付けた。流動性不足のため買い手と売り手のマッチングが難しいとトレーダーらは述べた。『ブルームバーグ』(2月28日付)が報じた。
ロシア中央銀行は、後述のように緊急利上げで政策金利を20%として通貨防衛に当った。ルーブルの取引開始は、3時間遅らせるほど神経を使ったが、効果はなかった。モスクワ取引所では、28日の株式取引を中止した。混乱を避ける目的である。
『ブルームバーグ』(2月28日付)は、「ロシアが大幅利上げ、03年以来の高水準に-制裁対応で通貨防衛強化」と題する記事を掲載した。
ロシア中央銀行は2月28日、主要政策金利を20%に引き上げると発表した。2003年以来の高い水準となる。従来は9.5%だった。同中銀も対象に含まれる西側諸国の広範な制裁による影響から自国経済を防衛する一環として、資本フローに対する規制も設けた。
(1)「ロシア中銀は現地時間午前10時(日本時間午後4時)のルーブル取引開始前に利上げを発表。ブローカー各社に対しては、28日からモスクワ取引所で外国人による証券売却を一時的に禁じた。禁止措置がどの証券に適用されるのか具体的には言及しなかった。ロシア当局はまた、輸出業者向けにハードカレンシーの外貨収入の強制売却措置も導入した。米国や欧州連合(EU)はロシア中銀が積み上げてきた6400億ドル(約74兆円)相当の外貨準備の多くへのアクセス阻止で合意。ロシア側による今回の措置は、西側諸国の最新制裁後にロシア側が講じた対策としては最も強力なものとなる」
ロシアの政策金利が、9.5%から一挙に20%へ引き上げられた。ルーブル防衛目的であるが、国内経済活動へは「死亡宣告」に等しい水準である。
ロシアの持つ外貨準備高は6400億ドル(約74兆円)で、うちドルやユーロなど外貨が5000億ドル分とされる。これが、SWIFT排除で凍結対象になるのだ。金は1300億ドル分あり、ロシア国内で保管している。ロシア外貨準備高の78%はドルやユーロなどで米国やEU(欧州連合)へ預けられている。これが全て凍結されるので、ロシアには致命的な打撃である。ルーブル防衛は事実上、不可能なほどの緊急事態発生である。
ロシア中銀と財務省は、企業に対して外貨建て収入の80%を売却するよう指示した。企業の手持ち外貨をかき集めて、ルーブル安に少しでも歯止めを掛ける方針である。だが、長い目でみれば、SWIFT排除で輸出も抑制されるので、ごく短期的な対策である。
(2)「コメルツ銀行のストラテジスト、ウルリッヒ・ロイトマン氏は、「ロシア当局はパニックを防ぐため、同国証券の投げ売りを阻止する必要がある」と分析。「長期的には確かにマイナスに作用する措置だが、さらなるルーブル暴落リスクを考えるとロシア当局はこちらの方がましと受け止めているように見受けられる」と述べた」
ロシア当局は、さらなるパニック拡大を抑制すべく2月28日の株式市場を閉鎖した。再開の見通しがつかない閉鎖の感じである。仮に3月1日に市場再開でも、暴落は不可避でロシア経済の混乱を見せつけるだけであろう。
『ブルームバーグ』(2月28日付)は、「ズベルバンク、ガスプロムの預託証券が暴落-西側諸国の対ロ制裁で」と題する記事を掲載した。
2月28日のロンドン証券取引所では、ロシア企業の預託証券が急落。ロシアのウクライナ侵攻を受けて週末に西側諸国が新たな制裁で合意し、その影響が懸念されている。
(3)「ロシア最大の銀行ズベルバンクは一時77%安、小売りのマグニトは75%安、国営ガス会社ガスプロムは62%安。石油会社のルクオイルとロフネフチはそれぞれ69%安、46%安と厳しい売りを浴びている。VTB銀行は英国の制裁対象となったことを受け、25日に取引が停止されたまま」
もはや、「暴落」という言葉では、言い表せないほどの「恐怖相場」である。「厄神」を追い払うような場面だ。西側諸国からみたロシアの存在は、まさにこういう状況であろう。中国も、こういう場面に立たないように慎重に行動することだ。
引用ここまで
プーチンは突然狂った。クリミア半島につながるウクライナの東部を押さえるようなことはしても、まさかキエフひいてはウクライナ全域を支配するような野望まではないと思われていた。
なぜ、プーチンは狂ったのだろうか。
まず、プーチンはすでに晩年である。
ロシア人の平均寿命は短い。
ウオッカのような強い酒を浴びるように飲むのだから、当然のように短い。
次にプーチンは息子が居ないので、後継ぎがいない。
政治的にもプーチンの跡継ぎになれるような人はいないのではないか。
したがって、自分の代でロシアを強大な「ロシア帝国」にしたかったのだろうと思われる。
そういう意味では、習近平とよく似た発想だ。
そして、老人は名誉欲に取り憑かれる。
ウクライナ併合という実績を付くって、全ロシア人からの賞賛を浴びたいと思ったことだろう。
だが、ただの訓練だと聞かされていたロシア兵の士気は低く、ウクライナは祖国防衛の熱気に燃えさかっていて士気は高い。
さて、死那狂惨党はロシアの侵攻を見て、台湾への侵攻を考えただろう。
だが、ロシアが国際社会から外されたことを見て、死那は台湾侵攻をあきらめるか、それともロシアの愚を繰り返すのかという二者択一の岐路に立たされた。
死那の為替は元々自由化されていない。
そういう意味では人民元は相場下落などない。
だが、SWIFTから外されるようなことになれば、死那にとっては大打撃である。
死那はロシアを他山の石にできるのか、できないのか。
なかなか面白い展開になってきた。
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