近平はどう動く

https://kotobukibune.at.webry.info/202203/article_17.html

引用ここから

2.ロシア・ウクライナ戦争の可能性と中国の選択

今のところ、国際社会ではっきりとロシアの味方をしているといえるのは中国と北朝鮮くらいだとは思いますけれども、その中国でも、政府系シンクタンク幹部の政治学者が、習近平指導部に対してロシアのプーチン大統領と「早急に手を切るべきだ」と訴える文章を綴り、それが国外サイトに掲載されたことで波紋を広げています。

この文章を書いたのは、政府の諮問機関である国務院参事室公共政策研究センター副理事長の胡偉氏。胡偉氏は政治学を専門とし、共産党幹部養成機関である上海市委員会党校の教授です。

中略

文章の概要は次の通りです。

・ロシア・ウクライナ戦争は、第二次世界大戦後最も深刻な地政学的紛争であり、9.11同時多発テロよりも大きな影響を世界に与えるだろう。

Ⅰ.ロシア・ウクライナ戦争の方向性の予測

1.プーチンは期待された目的をほとんど達成できない。 プーチンの行動の目的は、電撃戦によってウクライナ問題を一挙に解決し、それによって国内の危機をそらすことであった。 しかし、電撃戦は失敗し、国内外の情勢はますます不利になる。 この軍事行動は取り返しのつかない過ちを犯してしまった。

2.戦争はさらに拡大する可能性があり、最終的に西側諸国が戦争に関与する可能性も否定できない。 プーチンの性格と力では、その確率は安泰ではなく、ロシア・ウクライナ戦争はエスカレートして核攻撃のオプションまで含める可能性がある。

3.仮にロシアが自重して渋々ウクライナを手に入れたとしても、ロシアには重い負担が残る芋づる式になる。

4.プーチンの電撃作戦の失敗でロシアは勝利の望みが薄くなり、反戦・反プーチン勢力が結集しつつあり、ロシアで政変が起こる可能性は否定できない。 もしプーチンが内乱やクーデターなどでカーテンコールをすれば、ロシアの大国としての地位は終わりを迎えるだろう。

Ⅱ.ロシア・ウクライナ戦争が国際情勢に与えた影響について

1.現在、世論は、ウクライナの戦争は、アメリカの覇権の完全な崩壊を意味すると考えているが、ドイツは軍事予算を大幅に増やし、スイスやスウェーデンなどの国々は中立を放棄した。 “Nord Stream II “プロジェクトも無期限延期となり、欧州のアメリカ産ガスへの依存度は高まる一方だ。 米国と欧州は運命共同体として緊密化し、米国は西欧世界の指導的地位を回復することができる。

2.西側諸国は、民主主義と独裁主義の闘いとして定義するだろう。 西欧民主主義と反西欧民主主義の間の生死をかけた決闘である。アメリカのインド太平洋戦略は強固なものとなり、日本などの国々はさらにアメリカにしがみつくことになるだろう。 米国は、民主化のために前例のない広範な統一戦線を構築する。

3.西側のパワーは大きく成長し、NATOは拡大を続け、非西側世界における米国の影響力は増大する。 露・ウクライナ戦争後、世界の反西欧勢力を著しく弱めるだろう。1991年のソ連東部の劇的変化の後のシナリオが繰り返され、西側を受け入れる第3世界諸国が増える可能性がある。 欧米は軍事的にも価値観や制度の面でも「覇権主義」を強め、新たな高みに到達することになるだろう。

4.中国はより孤立していくだろう。 中国が積極的な対策を講じなければ、米国や欧米からさらなる包囲網を敷かれることになる。 中国は、米国とNATO、QUAD(米国、日本、インド、オーストラリアの四極同盟)、AUKUSによる軍事的包囲網だけでなく、欧米の価値観や制度からの挑戦にも直面しているのだ。

Ⅲ.中国の戦略的選択

1.中国はプーチンと結ばれてはいけない、一刻も早く切り離すべき。 ロシアと欧米の対立が激化することは、アメリカの関心を中国からそらすことにつながり、プーチンを支持してもいいはずだが、それはロシアが倒れない場合に限られる。中国は自国の利益のために2つの悪のうち小さい方を選び、一刻も早くロシアの荷を降ろすしかないのだ。 中国が迅速な決断を迫られるまでには、まだ1~2週間の猶予があると推測される。

2.両極端を避け、中立性を保つことをあきらめ、世界の主流の立場を選択することだ。 現在の中国の国際的な姿勢や選択は、形式的には両端を怒らせない中道を歩もうとしている。 しかし、この立場は実際にはロシアのニーズを満たすことができず、ウクライナとその支持者、シンパを怒らせ、世界の大半と対立する立場に立っている。中国が国家主権と領土保全の尊重を常に唱えていることを考えると、これ以上孤立しないように世界の大多数の国の側に立つしかない。このポジションは、台湾問題の解決にも有益だ。

3.欧米からこれ以上孤立することなく、できるだけ戦略的に脱却することだ。 プーチンとの関係を断ち、中立の立場を捨てることで、中国の国際的なイメージを高め、さまざまな努力によってアメリカや欧米との関係を緩和する契機とすることができる。米国内ではすでに、中国の方が重要であり、米国の最大の目標は、中国がインド太平洋地域の支配勢力になるのを阻止することだ、という声が上がっている。米国の中国に対する敵対的な態度を改めさせ、それによって孤立を脱するためにあらゆる手を尽くすかが、中国にとっての最重要課題だ。

4.世界大戦、核戦争の勃発を阻止し、世界平和にかけがえのない貢献をする。ロシアとウクライナの戦争は制御不能になる可能性が高い。 中国はプーチンに寄り添うだけでなく、決定的な行動をとり、プーチンの可能な冒険を阻止するために最大限の努力を払うべきだ。プーチンは中国の支持を離れて初めて戦争を終わらせるか、少なくとも戦争をエスカレートさせる勇気はないだろうという見込まれる。その結果、中国は国際的に高く評価され、孤立を免れるだけでなく、世界平和の維持の先頭に立つことができ、そこから米国や欧米との関係を改善する切っ掛けをつかむことができる。

引用ここまで

この引用した記事には、ロシアは「ゴルディアスの結び目」作戦をも考えていることにも触れているが、とりあえずはロシアの思惑よりも死那のほうに重きを置いて考えるので、「ゴルディアスの結び目」作戦関連の部分は省略する。

さて、この胡偉教授の論説は、至極当然のことを言っているが、習近平の考えにはほど遠いので、馬鹿の習近平はこれを受け入れないだろう。

習近平は頭が悪い上に頑固なので、自分の考えに執着し、他人の意見など聞きはしないから、真の独裁者としての面目発揮に努める。

だが、そのツケは死那に必ずもたらされる。

習近平は自分が3期目も総書記として権力を振るいたいので、なんとかして台湾侵攻を果たし、実績を上げたいと考えている。

だが、西側諸国が一致して経済制裁を加えた結果、ロシアがとんでもない状況に陥ったのを見て、さすがに台湾侵攻については慎重にならざるを得ないと考え始めているだろう。

死那は不動産価格の下落が始まっており、武漢コロナウイルスのワクチンが全く効かないこともあって、ゼロコロナ対策しか手を打てない。それは、都市封鎖と経済的停滞を招く結果をもたらす。

人民の不満は高まり、地方都市の財政は悲鳴を上げ、物流は停滞するし、外貨準備高は減少を続ける。

いくら習近平が頭が悪いと言っても、世界が金の切れ目は縁の切れ目だとばかりに、死那から離れていくことを警戒するだろうから、ロシアの行く末を見ながら今後の行動を決めるだろう。




孤独な自獄論者

何にも縛られず思い付くままに好き放題に書いています。 物言わぬは腹ふくるるわざなり

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