https://www.dailyshincho.jp/article/2022/05311701/?all=1
引用ここから
鈴置:韓国政府はIPEFを無効化する小陰謀を凝らしているようです。ハンギョレの「韓国の新政権、IPEF参加確定…試験台に立たされる韓国外交」(5月19日、日本語版)がちらりとそれを報じました。
中略
中韓FTAは2015年12月に発効、2017年12月からはFTAをさらに深化するための交渉に入りました。当初はサービス貿易や投資の自由化に関し話し合っていましたが、ここに来て商品の供給を円滑にするための交渉を始めた、というのです。
中国と西側の対立が深まった際――例えば、中国が台湾に侵攻した場合、米国はIPEF加盟国に対し中国への半導体の供給を絞るよう命じることになるでしょう。
その時「商品の円滑な供給を約束した韓中FTAがあるので、米国の要求には応じられない」とはねのける仕組みを韓国は作り始めたのです。
「獅子身中の虫」作戦で哀願
――尹錫悦政権も知恵を絞りましたね。
鈴置:韓国はもう1つ、米国の裏をかく作戦を練っています。IPEFに創業メンバーとして入ることで発言権を確保し、対中包囲網の色合いを薄める――です。
中略
冒頭で紹介したように、そもそも尹錫悦大統領こそがIPEF参加表明の際に「開放性・包容性・透明性の原則に基づくべきである」と主張しています。
米国の目的はもちろん「中国排除」であり、「開放性や包容性」とは間逆です。最初から中国を敵国として設計する制度ですから「透明性」などあるはずがありません。
中略
――韓国が「獅子身中の虫」とは米国も知っているのでしょうか。
鈴置:十分に知っているからこそ、Quadに入れないのでしょう。もし加入させれば、中国と呼応して内側からQuadを揺さぶるのが明らかだからです。
韓国は中国とは敵対しない「準メンバー」などというムシのいい資格で潜り込もうとしましたが、米国ははっきりと拒絶しました。
ホワイトハウスのJ・サキ(Jen Psaki)報道官(当時)は5月2日の定例会見で「韓国をQuadに入れるのか」との質問に対し「QuadはQuad(4カ国)のままであろう。韓国とは別途の仕組みで協力する」と冷たく突き放しました。
中略
トルコかベラルーシか
――韓国の裏切りに対し、米国はどう対応するのでしょうか。
鈴置:日本と組んで半導体素材の供給を絞る手があります。また、韓国が通貨危機に陥った際にドルを貸さない、といった手口も有効です。これも日本と歩調を合わせる必要がありますが。
米ドルの相次ぐ利上げによりウォンが弱含み、資本逃避の懸念が日増しに高まっています。韓国銀行も追従してウォン金利を引き上げていますが、いつまで続けられるか分かりません。
中略
尹錫政権は「親米」を謳いますが、「従中」に変わりはない。「東アジアのトルコ」にお灸を据えるのか。2022年3月の大統領選挙で文在寅氏以上の反米政治家、李在明(イ・ジェミョン)氏が当選していれば、韓国は「ベラルーシ」になっていた。それと比べればましなので、とりあえずは見逃すのか――。米国の判断がカギとなります。
引用ここまで
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