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引用ここから
米下院議長ペロシ氏の訪台が、中国の猛反発を生んでいる。中国は、8月4~7日までの4日間にわたり、大規模軍事演習を行なった。明らかに、台湾占領を目指した軍事行動である。
これが、ロシア軍のウクライナ国境付近で行なった大規模軍事演習を思い起こさせる。ロシア軍はこの後、ウクライナへ侵攻したのだ。中国は、ロシア軍と同じ手順を踏んで、台湾へ侵攻する計画を世界へ知らしめた形である。
中略
この侵攻計画を見ると、ロシアのウクライナ侵攻と瓜二つであることが分る。ロシアは、ウクライナを「3日間で占領」する計画とされていた。戦死したロシア軍将校の鞄には、「12時間」での占領計画が記されていたという。ともかく、ロシア軍は超短時間で勝利できると踏んでいた。現実には、開戦後5ヶ月経った現在でも勝利できずにいるのだ。
中略
中国には、簡単な戦いで終わる保証がないのだ。持久戦になれば、中国は不利に働く要因が数々ある。低い食糧自給率問題もその一つだ。ロシア並の経済制裁も行なわれる。それゆえ、中国が簡単に勝てる戦争でないことを知るべきだろう。
日本は、日中戦争で「楽勝」できると踏んで大失敗した例である。米英が、中国軍への支援に動いていたのだ。日本軍は、広い中国大陸で泥沼に嵌る結果になった。戦争とは、こういう予見できない現実に直面するものである。歴史的に、戦争相手国に同盟国が存在する場合、不利な戦いを強いられることを肝に銘じるべきなのだ。
作戦計画に3つの狙い
中国はなぜ、4日間も「台湾封鎖」という大規模演習を行なったのか。先ず、この背景を見ておきたい。三つの要因を上げたい。
1)国内経済低迷への不満を逸らす目的
2)今後、要人の台湾訪問へ釘を刺す目的
3)武力で台湾開放する決意を見せる目的
以下に、コメントを付したい。
1)中国は、経済成長の急減速、不動産バブルの崩壊、新型コロナ対策としての厳しいロックダウン(都市封鎖)に対する市民の不満の矛先を変える必要がある。現在の中国経済は、追詰められた状態になっている。すでに、「未富先老」で建国の夢は消えているのだ。習氏によって「中華の夢」が語られても、それを実現する手段が見つからないのである。残る道は、台湾開放以外にないのだ。
中国では、根拠もなく「2035年に台湾が帰ってくる」と宣伝している。台湾まで海底トンネルを通じさせるというのだ。そのための歌までつくられている。ローンで購入契約を結んだマンションが、いつになっても手に入らない。こういう絶望的な現状を忘れさえるには、「台湾開放」がうってつけのテーマである。戦時中の日本では、新天地の「満州開拓」が日本人の夢になった。台湾開放は、それと同じ現象である。
2)世界中に、「一つの中国」を守らせるには、第二の「ペロシ訪台」を出してはならない。その見せしめのために、「台湾封鎖」を行なって脅しを掛ける必要があると判断したのだろう。中国は、気にくわないことが起きると、簡単に相手国への経済制裁を発動している。「戦狼外交」である。今回は軍事力を見せつけて、腕力で台湾を屈服させる姿勢を明らかにした。
「一つの中国」には、前提があるのだ。中国は、台湾と平和的な統一をするというものである。今回の台湾封鎖は、平和統一に反する行動である。こうなると、中国は他国に対して「一つの中国」を強調できなくなる。中国は、「一つの中国」にこういう平和的統一がワンセットで組込まれていることに気付くべきである。その意味で、中国は大きな外交的失策を犯したことになる。もはや、他国へ「一つの中国」を強要する根拠を失ったのだ。
引用ここまで
死那狂惨党は本当に戦争に踏み込むだろうか。
まず、戦争に突入するには補給の問題を考えねばならないが、現在のようなエネルギー資源高の状態では、燃料費だけでも膨大なものになる。
食料についてはそれなりに準備をしているようだが。
ただ、不動産価格下落に伴い、地方政府の財政はひどい状態になっている。
公務員の手当は半減されているし、ロックダウンで経済が回らなくなっている。
ゼロコロナはずっと続くだろうし、失業者は増大し、外資は逃げていく。
膨大な戦費を手当てするには相応しくない時期だろう。
まあ、周辺の事情を見ただけでも今は戦争に突入できる状態ではない。
今回は近平の負けだ。
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