https://hisayoshi-katsumata-worldview.com/
引用ここから
英紙『フィナンシャル・タイムズ』(5月1日付)は、「中国、和平の仲介なるか」と題する記事を掲載した。筆者は、ギデオン・ラックマン氏である。チーフ・フォーリン・アフェアーズ・コメンテーターだ。
中略
(1)「中国政府が和平実現に関与するとなれば、それはウクライナ、ロシア、米国、欧州、そして中国政府にとって、それぞれに異なる理由から歓迎すべきものとなるかもしれない。ウクライナ政府は、習氏のみがプーチン氏に影響力を及ぼせる存在だとみている。もちろん、それは習氏が自らの影響力を行使すると決めた場合だ。一方、ロシアは西側諸国による制裁を前に、自国経済を維持するのに中国に依存している」
ウクライナ政府は、中国がロシアへ最も大きな影響力を発揮できると読んでいる。ロシア経済が、中国依存度を深めているのも理由だろう。
中略
(3)「習氏が、プーチン氏にしびれを切らしつつあるかもしれないとすれば、その理由は何か。中国とロシアがともに米国の覇権に敵対心を抱いているのは間違いない。ロシアが短期間でウクライナを制圧できていれば、中国としても好都合だったかもしれない。ところがウクライナ戦争で米国主導の同盟関係は弱体化するどころか、米欧およびアジアの民主主義諸国はこれまで以上に結束を強めている。今や長引く戦争は中国にとって戦略上、負担となっている。中国は何十年もかけて欧州での影響力拡大に力を入れてきた。だが2022年2月に中国がロシアとの「無制限」の協力関係を表明して以降、多くの欧州諸国は中国が脅威だとの確信を強めている」
中国は、ロシアのウクライナ侵攻で欧州の中国警戒論という巻き添えを食っている。これは、中国にとっては思わざる事態である。ウクライナ侵攻が長引くほど、中国に負担になることから、ロシアへ圧力を掛けざるを得ないという見方が生まれている。
中略
(5)「これまでも西側同盟の中では、ウクライナに和平交渉に応じるよう圧力をかけるかどうか散々議論されてきた。だが、さほど話題になっていないものの、おそらくもっと重要なのは、誰がロシアに対し、ウクライナの領土から撤退し、国家としてのウクライナの崩壊を狙うような様々な活動を阻止するよう意味ある譲歩を強要できるのかという問題だ。唯一これをできるのは中国だ。プーチン氏と公の場で温かい握手を交わしつつ、裏でプーチン氏の腕をひねりあげることができるのは習氏だけだ。習氏は、どこかの段階でそうすることが中国の利益になると判断するかもしれない」
西側にとって、プーチン氏に圧力を掛け、ウクライナに意味ある譲歩を引き出させる人物は誰か。こういう視点になると、習氏が候補者になるというのだ。ただ、習氏はその場合に重大な決断を迫られる。台湾侵攻を封印することになるからだ。ウクライナ侵攻を止める一方で台湾侵攻をするのは、国際世論を納得させられないからだ。
引用ここまで
死那がロシアを説得できるとは思えないし、死那が台湾統一を諦めることも想像できない。
だから、死那がロシアとウクライナの停戦仲介できるかもしれないというのは、期待外れに終わるだろう。
ただ、死那を停戦介入に噛ませるというのは面白い発想である。
習近平を満足させられ、しかも台湾統一を不可能にするのであるから、習近平にとってどちらが大切なのかを知る踏み絵になる。
0コメント