https://hisayoshi-katsumata-worldview.com/
引用ここから
『ブルームバーグ』(6月6日付)は、「中国が預金金利引き下げを大手銀に要請、景気押し上げで-関係者と題する記事を掲載した。
中略
(1)「匿名を条件に話した関係者によると、中国銀行、中国工商銀行、交通銀行など国有銀行が先週、さまざまな預金の金利を引き下げるよう勧告を受けた。要求払い預金の金利は5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)、3年物と5年物の預金は少なくとも10bp(0.1%)引き下げる内容で、中国人民銀行(中央銀行)の市場金利決定自律メカニズムを通じた要請だったという」
預金金利引き下げ目的は二つある。
1)利下げで貯蓄よりも消費へ誘導する。
2)銀行の利ざやを改善し、貸出金利引下げに反映させる。
中略
(3)「預金金利が引き下げられれば、銀行の資金調達コストは下がり、時間の経過とともに貸出金利の引き下げも可能になる。消費者や企業にとっては借り入れの妙味が増す一方、預金金利の低下で銀行に現金を寝かせておく魅力は落ちることになる」
このパラグラフでは、「時間の経過とともに貸出金利の引き下げも可能になる。消費者や企業にとっては借り入れの妙味が増す」と指摘している。しかし、前述のようにローンの繰上げ返済が増える可能性の方が大きいであろう。現在の経済環境は、そこまで悪化しているのだ。
中略
『ロイター』(6月6日付)は、「中国、下期に銀行預金準備率や金利引き下げもー中国証券報」と題する記事を掲載した。
中略
(4)「中国経済は第1・四半期に予想を上回るペースで回復したが、第2・四半期初めに失速。高失業率、不動産市場低迷、地政学的緊張の高まりに直面している。同紙によると、政府系シンクタンク、中国社会科学院の研究員チャン・ミン氏は中国のインフレ圧力が低いことが金融緩和余地を与えると指摘。中国はさらなる利下げを検討し、貸出コストを下げるために銀行の預金準備率に焦点を当てることができるだろうと語った」
この記事は、消費者物価上昇率が4月に前年同月比0.1%とゼロ近傍にあるので、利下げ余地と預金準備率の引下があるという推測である。客観的には、その通りである。
引用ここまで
まず、失業者が大幅に増えているのだから、消費に回す金がない。当然のことながら、預金する人も減る。
つまり、銀行の利下げは消費につながらず、預金が増えることもない。
しかし、不動産ローンの返済繰り上げには役に立つ。
ただ、公務員や都市部の会社員などの中産階級は収入が減っているので、借金の繰り上げ返済に回す余裕も生まれない。
今後死那の銀行は不良債権に悩まされ、稼げる利ざやの低下に悩まされることになる。
0コメント