人民元の限界

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引用ここから

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(6月9日付)は、「『通貨の王様』ドル、欧州で不滅の影響力」と題する記事を掲載した。

中略

(3)「サウジアラビアや中国、ロシアが他の通貨を使う動きを見せる中で、ドルは準備通貨としての地位を失いつつあると盛んに指摘された。だがこうした動きは米国がドルを武器として使うことへの対抗措置だ(米国はウクライナ侵攻に対する制裁としてロシアの外貨準備を凍結している)。昨年4~6月期の公式外貨準備高に占めるドルの割合は60%を割り込み、20年前の約72%から低下した。それでも今日に至るまで、ドルはその世界的な優位性をほとんど失っていない」

サウジアラビアや中国、ロシアが「脱ドル」決済を始めている。これを、「ドル覇権の終わり」などと見当違いの記事が散見される。世界経済の実態を知らない事例だ。「象にとまった蚊」程度であろう。米国経済と軍事力の世界一が、基軸通貨ドルの絶対的条件になっている。中国も、嫌いなドルでも「圏外」へは飛び出せないのだ。

(4)「国際決済銀行(BIS)の昨年12月の報告書によると、米国が世界の国内総生産(GDP)に占める割合は約4分の1、世界貿易に占める割合は10%強だが、世界貿易のインボイス(送り状)の約半分はドル建てで、昨年の世界の外国為替取引の90%近くがドルを含む取引だった。この割合は20年間ほとんど変わっていない」

世界は、外国為替取引の90%近くがドルである。これは、「圧倒的」と言って差し支えない。中国とロシアが結託しても、ドルへ歯が立たないのだ。

引用ここまで

人民元は様々な制約がある中でしか活躍できない。

金融自由化を進めない限りは世界で使える通貨にはならない。

ただの決済手段としては使えても、それでは世界に通用する通貨だとか、ハードカレンシーなどとは呼べない。


孤独な自獄論者

何にも縛られず思い付くままに好き放題に書いています。 物言わぬは腹ふくるるわざなり

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