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引用ここから
『日本経済新聞 電子版』(6月23日付)は、「米国とインド、打算の接近 首脳会談で防衛協力合意へ」と題する記事を掲載した。
中略
(2)「会談では防衛協力を中心に討議する。米政府高官によるとゼネラル・エレクトリック(GE)は印国営ヒンドゥスタン・エアロノーティクス社とインド国産戦闘機「テージャス」のエンジン製造に向けた覚書や、技術移転に向けた輸出ライセンス契約を結んだ。エンジンはインドで生産する。日米豪印4カ国の枠組み「Quad(クアッド)」での連携強化も確認する。このほか、半導体のサプライチェーン(供給網)構築などの経済分野や、インド太平洋地域で台頭する中国についても話し合う見通しだ」
インドは、「非同盟」を旗印にしている国だ。今回のエンジン生産で、インドの外交戦略が変わることないが、グローバル・サウスの代表国としての影響力が期待される。インドは、日本とも密接な関係を構築している。
(3)「米政府高官は、両国の防衛協力で「かつてない規模のジェットエンジン技術の移転が可能になる」と話した。過去に米国内では安全保障条約に基づく同盟国ではないインドへの先端軍事技術の移転に慎重論が根強かった。米国は武器調達を巡り、インドにロシア依存度を一段と下げるよう促す。インド洋での協力も議論する。同高官によると米海軍の艦船が補修・補給作業をできるインドの造船所を1カ所から4カ所に増やす見通しだ。米国ではなくアジアで補給し、インド太平洋地域で運用の頻度を上げるとともにインド洋での活動拡大へ布石を打つ。中国の影響力の増大に対抗し、米国はインドへの投資の機会拡大をうかがう」
軍事用エンジンは、精密工業の頂点に立つ。インドが、その華の部分で米国から技術移転を受ける意味は極めて大きい。米印関係が、それだけ深まった証拠であろう。中国にとっては、インドが軍事的に手強い存在になる。
中略
(5)「武器調達ではこれまで、旧ソ連時代からの友好国であるロシアに頼ってきた。ストックホルム国際平和研究所の調べではインドは兵器輸入先(2018〜22年)の45%をロシアが占める。ただ、ロシアのウクライナ侵攻で、インドへの兵器供給は遅れが生じるようになった。侵攻から1年が過ぎても終結の見通しは立たず、ロシア兵器の信頼性に疑念がつくようにもなった。そこで、米国に接近し、武器調達でのロシア依存を低下させるとともに、米国との共同生産を通じて、自国の防衛産業を育成できると判断したようだ」
ロシアにも、今回の米印の共同エンジン生産取り決めはショックであろう。インドは、ロシアにとって最大の武器輸出国である。改めて、ウクライナ侵攻に伴う代償の大きさをかみしめているであろう。
引用ここまで力による支配を信奉するプーチンが取った愚劣きわまりない侵略によって、反ってロシアが大打撃を受けたが、インドの米国接近もそのひとつだ。
これを見ても死那狂惨党が台湾侵攻を思いとどまらないのであれば、馬鹿としか言いようがない。
力による支配は失敗すれば力によって大打撃をうけるのである。
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