南超賤の終わり

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韓国の輸出構造に異変が起こっている。韓国の最大輸出先は中国だが、中国は中間財の輸入代替が進んでおり、韓国からの輸入に依存する度合いが減っている。それだけでない。中国が、中間財をASEAN(東南アジア諸国連合)へ輸出し始めており、韓国製品と競合するという今までにない事態が起こっている。韓国は、こうした事態へどう対応するのか頭の痛い問題が起こった。数字が多いので、コメントだけでも読んでいただきたい。韓国経済の将来に関わる重要な問題である。

『ハンギョレ新聞』(11月9日付)は、「韓国の中間財輸出、中国産に押されベトナムでもシェア低下」と題する記事を掲載した。

韓国の中間財輸出企業の多くは、数年前から中国市場から抜け出し、ベトナムに進出しているが、2017年をピークにしてベトナム市場でのシェアが低下している。競争力の比較優位を前面に押し出した中国産中間財に、急速にシェアを奪われているからだ。

(1)「韓国開発研究院(KDI)は8日、「中国の建設業萎縮の影響と中長期の貿易構造変化の示唆点」と題する報告書を発表し、「中国の中間財の競争力が高まるにつれ、韓国と中国間の国際分業関係が弱まり、海外中間財市場でも中国との競争が激しくなっている」と説明した。韓国の中間財輸出企業が中国市場の代わりに進出を試みてきたのはベトナムだ。このため、韓国の中間財輸出国のうち、中国の割合は2007年の29.4%から2022年には25.7%に低下したが、ベトナムは同期間中2.0%から10.7%に急上昇した」

中国の中間財競争力が高まっている。この結果、これまでの韓国と中国間の国際分業関係が弱まり、海外中間財市場でも中国との競争が激しくなっている。中間財とは、他の製品の完成に使われる財である。中間財を使用することによって、出来上がる完成した財は最終財と呼ぶ。つまり、中間財を用いて最終製品ができあがる。韓国は、この中間財を中国へ輸出してきたが、中国も国内で生産し始め、輸出するようになった。ここで中韓が輸出で競合してきたのだ。韓国にとっては、得意製品で市場を失い始めたことになる。

(2)「ところが、中国も海外に目を向け始めた。内需を中心に実力を伸ばし、他の中間財市場を狙った。その代表的な進出先がベトナムだった。ベトナムの中間財輸入市場における韓国のシェアは2017年の24.8%をピークに下落しはじめた一方、中国はこの時期を基点にシェアを急速に伸ばしている。2017年に4.6ポイントまで縮まった両国の中間財シェアの差は、2021年には13.2ポイント(中国35.3%、韓国22.1%)にまで広がった。報告書は「(韓国と中国の差が広がる現象は)中国との国際分業構造の変化に対応して輸出市場の多角化が必要だが、国内企業の国際競争力を高めない限り、輸出多角化が効果的ではないことを示している」と指摘した」

中国は、中間財生産で国内需要を賄う一方、ベトナムなどへ輸出し始めている。こうして韓国は、中国市場とベトナム市場の二つで、輸出シェアが低下している。輸出依存度が、対GDP比で41.45%(2022年)と高い韓国には重大問題である。

中国の工業生産指数の上昇に伴い、韓国の輸出は減少することも分かってきた。中国の中間財の自給率が高まると、韓国の対中国輸出が減少する。韓国と中国との輸出競合度が高くなってきたのだ。韓国は、中国依存経済のマイナスが顕著になってきたのだ。韓国左派は、対中国経済依存度の高さから、中国べったり姿勢であるが、その根拠が消え始めている。

(3)「韓国が中間財を輸出し、中国が最終製品を作って再輸出する分業関係が弱まったのは、数値でも確認できる。2007年に韓国が中国に輸出した品目のうち中間財が占めた比重は37.2%だったが、その比重は2014年には23.6%、2022年には22.0%まで低下した。中国の中間財生産技術が発展し、あえて韓国産を使わなくても自国で生産できるからだ。中国の賃金水準が上がり、最終製品生産地としての魅力を失った点も、中国の中間財輸出の増加を後押しした」

韓国の対中の中間財輸出比率は、37.2%(2007年)→23.6%(2014年)→22.0%(22年)と低下している。この調子では、20%割れは確実である。輸出では、中間財が半導体に次いでいる。それだけに、中間財の競争力低下は由々しき問題になってきた。

引用ここまで

孤独な自獄論者

何にも縛られず思い付くままに好き放題に書いています。 物言わぬは腹ふくるるわざなり

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