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習近平中国国家主席の「運」は、尽きかけたようにみえる。国家主席就任は、江沢民氏の強い推挙を受けたもので、本命視されていた李克強(前首相・故人)を押しのけて実現した経緯がある。江氏は、習近平氏を操る目的でもあったとされる。こうした個人的思惑に支えられた習氏は、李氏に競り勝った。これが、人生最大の運と言わずして何と呼ぼうか。
この幸運は、さらに続いた。不動産ブームに支えられて、土地売却収入という多額の税収に恵まれたのである。これらを隠れ財源にして短期間に国防費を拡大させ、米国覇権へ対抗する壮大な夢が実現可能と判断するまでになった。絶頂期であったのは2021~22年のころであろう。
21年に、中国共産党の第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)で、40年ぶりとなる「歴史決議」を採択させた。これによって、習近平氏の地位は確固不動のものになった。歴史決議は、共産党100年の歴史を統括するもので、主要な成果や今後の方向性を示している。中国共産党の創立以降、歴史決議が採択されたのは1945年の中国建国の父・毛沢東、1981年のトウ小平以来3度目だ。習氏は、毛やトウに並び中国共産党政治史で輝ける地位を確立した。
この勢いで、22年に国家主席3期目を実現させた。事実上の「終身国家主席」を目指す体制を整えたのである。習氏は中国共産党第20回党大会で、建国100年を迎える2049年に米国を凌駕する超大国になるとの目標を掲げた。まさに、「中国勝利宣言」目標の設定である。具体的には、「共同富裕」の実現を掲げた。
共同富裕は、共産主義思想の基本として毛沢東が初めて提唱したものだ。1978年の改革開放以降は、トウ小平の「まず豊かに暮らそう」という先富論が優先され、共同富裕は後回しにされた。2000年代に入って中国の高度成長が続き、最近では経済不均衡が社会の安定を脅かすほど深刻化している。習氏は、こういう認識から共同富裕実現へ踏み込んだものである。
持てる運を使い果たす
今や習氏の運が尽きかけている理由は、不動産バブル崩壊後の対応の拙さにある。習氏には、この事態を不動産開発企業の暴走程度の事態と軽く判断していた。金融機関に対して、不動産企業への融資を止めさせ経営者を罰する。この程度で、不動産バブル崩壊を乗り越えられるとみたのだ。習氏のこういう判断が、政策判断の甘さを露呈した。
習氏は、不動産バブル崩壊に伴う需要減に対して、供給力増強で対応している。「三種の神器」(EV・電池・ソーラーパネル)を政府補助金で輸出産業に仕立て、強引な輸出戦略を打ち出している。中国経済という「病人」を、マラソンレースに出場させるような無謀な策に打って出たのだ。今は、すっぽり穴の開いた需要減を、新たな内需増強策でカバーしなければならない重要な段階にある。それにもかかわらず、真逆の政策判断を下した。習氏の持てる運は、全て使い果たされたとみるのだ。
もう一つの失敗は、性急な共同富裕論である。全ての中国人が豊かになろうという前向きの考えではない。経済的に豊かな人間は、過去に遡り給与や賞与を返却せよという強引な政策だ。これは、全ての中国人が「等しく貧しくなろう」という主旨であろう。金融機関職員に対し過去5年に遡り給与を返却させている。習氏は、金融機関を「不労所得機関」と位置づけている。金融機能によって、新しいビジネスが生まれるという効用を頭から否定しているのだ。気の毒なほど、金融知識が乏しい結果であろう。
これでは、経済発展が困難になる。中国の「中所得国の罠」が決定的だ。中国経済は、現状のままで推移する限り、先進国へキャッチアップは不可能である。一人当たり名目GDPは現在、1万2597ドル(2023年)である。今後の経済成長率の急減速を計算に入れれば、2万ドル以下の低水準で盟友ロシアと肩を並べる状態が続くのであろう。これは、国民生活で大きな不満を呼び起こす要因となる。共同富裕論が、まさに「等しく貧しくなろう」という事態を招きかねないのだ。
IMFは近未来へ警告
IMF(国際通貨基金)は10月22日に、最新の世界経済見通しを発表した。中国は24年を0.2ポイント下げて4.8%と予想。25年の予想は4.5%で据え置いた。IMFは中国経済について、極めて強い警戒的姿勢をみせている。ゲオルギエワIMF専務理事は、中国が国内消費を押し上げる改革を行わない限り、年間成長率は将来的に4%を「大幅に下回る」可能性があると警告している。この指摘は重要である。
IMFは、一貫して不動バブル崩壊後の不良債権処理問題を急ぐように強調してきた。中国はこれに対して、銀行が不良債権を確実に処理してきたので、懸念には及ばないという姿勢だ。中国が、財政出動による不良債権処理を急ぐようにと迫られているとみているための予防線である。
引用ここまで
習近平は運は良かったが、能力が皆無だった上に、狂惨主義が大好きで小学生並みの頭しかない馬鹿がトップになったため、死那は一気に経済が悪化した。
まあ、私としてはこのまま習近平が権力を握り続け、総加速師としての面目を果たして貰いたい。
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