死那からは逃げるべきだ

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ユニクロを経営するファーストリテイリングは、世界企業として発展を続けている。供給網は中国である。世界的に「脱中国」が進んでいる中で、依然として「中国供給網」を重視しているのだ。中国の輸出拡大を支えてきた加工貿易比率は、すでに減少傾向にある。特に、衣料品で顕著だ。輸出全体に占める割合は、1995年に24.1%と最も高くなっていた。2023年には8.6%へと急減している。ファーストリテイリングは、「残存者利益」を狙っているのだろう。

『日本経済新聞 電子版』(11月3日付)は、「『脱・中国はダメ』ファストリ柳井正氏が語る真意と覚悟」と題する記事を掲載した。

ファーストリテイリングは、衣料品の製造・販売の重要拠点である中国への投資を継続する。景気減速や人件費高騰、地政学リスクの高まりもあり、企業の間では脱・中国も広がるが、柳井正会長兼社長は「中国の重要性は変わらない」と異論を唱える。11月5日の米大統領選挙を前に柳井氏に「覚悟」を聞いた。

(1)「国内衣料品各社は脱・中国を進めている。ただ柳井氏はこうした動きに対して「ダメですよ、それ。そう簡単に大規模工場ができるわけない。何年間も失敗の歴史があって、簡単には中国工場のようにはできない」ときっぱり。10月下旬の日本経済新聞の取材に答えた。だが衣料品業界の脱・中国は着実に進む。日本繊維輸入組合によると、日本の中国からの衣料の輸入量はピーク時の07年には35億5000万点に上ったが、23年には20億4000万点まで減った。日本が海外から輸入する衣料品全体に占める中国からの比率も07年の92%から年々減少する。23年にはその比率が58%と、2000年以降では初めて6割を切った」

ファストリの柳井氏は、一種の「賭け」に出ている。中国繊維産業の残存者利益を残らず手中にする狙いだろう。中国で、自社の理想的な生産システムを作り上げたので「放棄」するに忍びないという執念もあるはずだ。それが、吉と出るか凶と出るからは、国際政治情勢が決めるはずだ。

(2)「人件費の上昇が進み、縫製など人手がかかる生産活動へ逆風が吹くなか、台湾有事といった地政学リスクまで現実味を帯びる。各社ともベトナムやバングラデシュなど中国以外の国や地域に拠点を分散させる「チャイナプラスワン」を進める。柳井氏は、「中国の成長と一緒に我々も成長した。二人三脚で中国の繊維産業も成長してきた」と語る。00年からは匠(たくみ)と呼ぶ日本の繊維業の熟練の職人を現地に送り込み、技術力と製品の品質を高めてきた。現地の経営者とも面会し、中国での供給網を固めてきた」

ファストリの成長が、中国での製造・販売にあったという意味で、深い思い入れがある。この感情が、ビジネスにとってマイナスにならないか。柳井氏が、「名経営者」になる稼働かのポイントはここだろう。成功ゆえに失敗を招くケースである。

(3)「ファストリの24年8月期の連結売上高は、初めて3兆円の大台を超えた。中国に加えて欧州や北米の売り上げも大きく伸びたが、生産の拠点は中国を中心としたアジアだ。ファストリは地域ごとの生産量を開示していないが、関係者は「生産量に占める中国の高い割合は足元でも変わっていない」と話す。グローバル展開する企業にとって、効率でみれば販売と生産地域が同じ製販一体の体制が定石だ。だがファストリにとってそれは唯一の解ではない。ファストリもインドなど生産地域の拡大を徐々に進めてはいるが、世界の主力工場は中国だ。生産を担う中嶋修一上席執行役員は「パートナーの数は増やさず、個々の工場の生産量を増やしていきたい」と話す」

グローバル展開企業は、販売と生産地域が同じ製販一体の体制が定石である。ファストリは、あえてこれに逆らっている。それだけ、リスクが大きいということになる。

(4)「販売面でも中国の存在感は依然として大きい。中国事業の売上高は6770億円と前期比で9%増えた。足元ではショッピングセンターが乱立する一方で景気が減速し、供給過剰も懸念されているが、市場予想を上回る健闘を見せた。売上高は過去最高を更新し、25年8月期も増収増益を見込む。ただ、ファストリが目指す売上高10兆円に向けた次の成長のエンジンとして欧米も不可欠ではある」

中国での売上は、不況下でも順調に伸びている。この裏には、中国で製造するという「愛国主義」がプラスしていることを否定できまい。中国の国産愛用運動は、大きなうねりだ。

(5)「欧米を攻めるなか、中国製の衣料品に欧米各国が高関税をかければファストリには大きな逆風になる。それでも、柳井氏は中国と離れない姿勢を明言した。柳井氏の口ぐせは書籍にもなった「1勝9敗」。1勝となるか、9敗に含まれるか。「中国リスク」とうまく付き合いながら、ライバルのお膝元である欧州でブランド浸透させることがカギになる」

柳井氏は、自らの成功体験に大きく依存している。国際情勢の変化を見落としているのだ。

引用ここまで

柳井という人は少し変わった人だと常々私は思っている。しかし、大成功した人なのだから、変わっていようとなんだろうと、それは構わない。私のような貧乏人に比べると、彼は間違いなくたいしたお人なのだ。

まあしかし、死那に掛ける危険性は大変なものであることは、間違いない。

死那などとは一日も早く別れるべきだが、柳井さんは私の様な貧乏人の言うことなど耳に入らないだろう。

孤独な自獄論者

何にも縛られず思い付くままに好き放題に書いています。 物言わぬは腹ふくるるわざなり

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